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30代エンジニアの勉強時間の作り方

勉強時間の作り方

20代の頃は、仕事が終わった後に3時間勉強するのが普通だった。30代になって、それが無理になった。体力が落ちた、家庭の時間が増えた、仕事の責任が重くなった。

「勉強しなきゃ」と思いながら何もできない日が続くと、焦りだけが積もっていく。同年代のエンジニアと話すと、同じ悩みを持っている人が多い。30代のエンジニアにとって、勉強時間の確保は共通の課題だと思う。

30代の時間の使い方が変わった

20代: 仕事8時間 + 勉強3時間 + 自由時間3時間 + 睡眠7時間。 30代: 仕事9時間 + 家庭3時間 + 自由時間1時間 + 睡眠7時間。

勉強に使える時間が、3時間から1時間に減った。しかも、夜は疲れていて集中力がない。

「時間がないから勉強できない」と言い訳していた時期がある。でも本当は、時間の使い方を変えていなかっただけだった。

20代と同じ方法で勉強しようとしていたのが間違いだった。夜にまとまった時間を取る方法は、30代のライフスタイルに合わない。発想を変えて、勉強時間を「細かく分散させる」方向にシフトした。

朝の30分を確保する

一番効果があったのは、朝に勉強時間を確保すること。

出勤前の30分。起きてすぐは頭がクリアで、集中力が高い。夜の疲れた1時間より、朝のフレッシュな30分の方が質が高い。

最初は5時半起きがきつかった。でも2週間くらいで慣れた。コツは、前日の夜に「明日の朝、何を勉強するか」を決めておくこと。起きてから考えると、その時間がもったいない。

もうひとつ大事なのが、朝のルーティンを固定すること。起きる→顔を洗う→コーヒーを淹れる→勉強開始。この流れを体に覚えさせると、意志力に頼らず机に向かえるようになる。「やるかやらないか」を毎朝判断するのは消耗する。判断を減らすのが継続のコツだと実感している。

朝の勉強に向いているのは、手を動かす系のタスク。コードを書く、設計を考える、ドキュメントを読み込む。逆に、動画を見るだけのような受動的なインプットは朝にやるともったいない。

勉強時間の分散配置

通勤時間をインプットに使う

通勤時間の片道45分をインプットの時間にしている。技術記事、Podcast、オーディオブック。

座れる日は記事を読む。立ち通勤の日はPodcastを聴く。どちらの状況でもインプットできるように、両方のコンテンツを準備しておく。

自分の場合、RSSリーダーに技術ブログを登録して、通勤中にざっと目を通すのが習慣になっている。全部読む必要はない。タイトルを見て「これは自分の領域に関係ある」と思ったものだけ読む。それ以外は流す。情報の取捨選択も30代で身につけるべきスキルのひとつだと思う。

月に60〜100記事読めるなら、キャッチアップとしては十分。まとまった勉強時間を別に確保する必要がなくなる。

昼休みの15分を活用する

昼食後の15分も、使い方次第で勉強時間に変わる。

食事を済ませた後、スマホでSNSを見る代わりに技術記事を1本読む。あるいは、朝の勉強で詰まったところを調べる。15分でできることは限られるけど、毎日続ければ月に5時間以上になる。

注意点として、昼休みを丸ごと勉強に充てるのはおすすめしない。午後の仕事に響く。あくまで15分程度。残りは休息に使って、午後のパフォーマンスを落とさないようにする。

何を勉強するか選ぶ基準

30代になって、勉強する内容の選び方も変わった。時間が限られている以上、「何を勉強するか」の選択が結果を左右する。

自分が使っている基準は3つ。

1. 今の仕事に直結するか。 業務で使う技術の深掘りは、勉強した分だけすぐ成果に反映される。学んだことを翌日の仕事で使えるなら、モチベーションも維持しやすい。

2. 1年後も使えるか。 流行りのツールやフレームワークは1年で消えることがある。基礎的な設計思想、ネットワーク、OS、アルゴリズムのような土台は長く使える。時間が限られているからこそ、賞味期限の長い知識に投資したい。

3. 自分のキャリアの方向性に合っているか。 30代はキャリアの方向が見え始める時期。自分がマネジメントに向かうのか、スペシャリストとして深めるのか。方向性が定まると、勉強の対象も絞りやすくなる。

この3つの基準で、学ぶ対象を3〜4つに絞っている。「あれもこれも」は20代の戦略。30代は選んで捨てる勇気がいる。

「広く浅く」から「狭く深く」へ

20代は新しい技術を片っ端から試していた。「広く浅く」の勉強法。時間がたっぷりあったから、それで良かった。

30代は時間が限られている。だから「狭く深く」に切り替えた。自分の専門領域(Kubernetes、クラウドインフラ)に絞って、深く学ぶ。

新しい技術は概要だけ押さえて、深く学ぶのは自分の領域に関連するものだけ。全部追うのは無理だと割り切った。

割り切れるようになったのは、周囲に「広く浅く」が得意な人がいるから。自分が全部カバーしなくても、チームで補い合えばいい。得意分野で深い知見を持っている方が、チームへの貢献度は高い。

家庭との両立で意識していること

勉強時間を確保するために、家庭の時間を削るのは本末転倒だと思っている。

自分がやっているのは、家族の予定を先にブロックすること。平日の夜と土日の日中は家庭の時間。勉強は早朝と通勤時間、たまに子どもが寝た後の30分。家庭の時間を「残りの時間」にしない。勉強の方を「隙間の時間」にする。

この優先順位を決めてから、罪悪感なく勉強できるようになった。「家族との時間を犠牲にして勉強している」という後ろめたさがなくなると、短い勉強時間でも集中できる。

パートナーの理解も大事。「朝30分だけ勉強させてほしい」と伝えてある。何をやっているか分からない状態で早起きされると、相手も不安になる。目的と時間を共有するだけで、協力してもらいやすくなる。

アウトプットが最強の勉強法

インプットだけだと忘れる。アウトプットすると定着する。これはよく言われることだけど、実感している。

このブログを書くことも勉強の一部。技術記事を書くために調べ直すと、理解が深まる。曖昧だった部分が明確になる。

アウトプットの形式は何でもいい。ブログ、社内Wiki、勉強会の発表、メンバーへの説明。誰かに教えるつもりで整理すると、自分の理解が確認できる。

特に効果が高いと感じるのは、社内の若手メンバーに教える場面。質問されると「あれ、ここちゃんと理解してなかったな」と気づく。教えることで自分の理解の穴が見つかる。30代のエンジニアは後輩に教える機会が増えるから、それ自体を勉強の場として活用するのは合理的だと思う。

勉強法の変遷

完璧を目指さない

30代の勉強で一番大事なのは、完璧を目指さないこと。

毎日3時間勉強する、みたいな目標は続かない。「今日は15分しかできなかった」と落ち込むと、翌日もやらなくなる。

15分でもやったら勝ち。0分がダメなだけで、5分でも10分でも積み重ねればいい。年間で見れば、1日15分でも91時間。十分な量。

自分は「週5時間」をゆるい目安にしている。1日あたりの時間は日によってバラバラでいい。月曜に1時間やって火曜は15分、水曜はゼロでも木曜に1時間やれば取り返せる。週単位で帳尻が合えば十分。

この「ゆるい目安」が続けるためのポイントだと思う。厳密な日次目標は、達成できなかった日に挫折感を生む。週単位のざっくりした目安にすると、1日サボっても気持ちの切り替えが楽になる。

勉強しなくていい日を作る

週に1日は「勉強しなくていい日」を作っている。完全オフの日。

この日がないと、勉強が義務になる。義務になると続かない。「今日は休んでいいんだ」と思える日があるから、他の日に勉強できる。

エンジニアは「常に勉強しないと置いていかれる」というプレッシャーを感じやすい。でも休むことも持続のために必要。

長く続けることが一番大事。1ヶ月だけ毎日3時間勉強して燃え尽きるより、1日30分を3年続ける方が圧倒的に力がつく。30代のエンジニアに必要なのは、瞬発力ではなく持久力。自分のペースで、無理なく積み上げていくのが一番の近道だと思う。

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