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配信のコメント欄が動いた瞬間の話。ゼロからイチの体験

コメント欄が動いた瞬間

配信を始めて最初の数ヶ月、コメント欄はずっと静かだった。画面の右側にチャット欄があるけど、何も流れない。自分の声だけが響く配信。

同接0人の時間帯に「お疲れ様です」なんて挨拶が来ることもなく、配信を終了する時も誰にも気づかれない。それが毎回続くと、配信ボタンを押すこと自体が億劫になってくる。

コメントゼロの配信は独り言

誰も見ていない配信で喋り続けるのは、想像以上にきつい。ゲームの実況をしているのに、反応がない。面白いことを言っても、すごいプレイをしても、静寂。

「今の見た?」と言いたくても、見ている人がいない。独り言を録画しているだけの状態。それでも配信を続けていたのは、いつかコメントが来ると信じていたから。正直、何度もやめようと思った。

コメントゼロの配信で一番つらいのは、自分の配信が面白いのかつまらないのか、フィードバックが一切ないこと。改善しようにも何を直せばいいかわからない。サムネイルが悪いのか、タイトルが弱いのか、トークがつまらないのか。全部かもしれないし、全部じゃないかもしれない。判断材料がゼロ。

コメントゼロ期間にやっていたこと

何もしなければ何も変わらない。コメントがゼロでも、自分なりに試行錯誤はしていた。

まず配信タイトルを毎回変えた。「〇〇やる」みたいな雑なタイトルから、「〇〇初見プレイ!一緒にやりませんか?」のように、視聴者に語りかける形にした。これだけでクリック率が体感で変わった気がする(実際の数値は追えていなかったけど)。

サムネイルも工夫した。最初はゲームのスクリーンショットをそのまま貼っていただけだったのを、文字を入れて目立つようにした。サムネイルについては別記事でも書いたけど、配信一覧で目に留まるかどうかはサムネイルで決まる。

あとは配信時間帯。最初は深夜にやっていたけど、深夜は大手配信者とモロ被りする。自分のような小規模配信者が深夜に配信しても、視聴者の選択肢が多すぎて埋もれる。平日の夕方や休日の昼間に変えてみたら、少しだけ人が覗いてくれるようになった。

それと、参加型の配信に切り替えたのが大きかった。一人でプレイするゲームだと、視聴者が入り込む余地がない。参加型なら「一緒に遊べる」という明確な理由で配信を開いてくれる。

初コメントはドラブレの参加型だった

転機はドラゴンボール ザ ブレイカーズの参加型配信。参加したい人がコメントで意思表示してくれる形式にした。

配信を始めて10分くらい経った時、「参加していいですか?」というコメントが来た。たった一言。でもその瞬間、画面の印象が変わった。コメント欄に文字がある。誰かが自分の配信を見ている。

あの時のことは鮮明に覚えている。ゲームのロビーで待機しながら喋っていて、半分諦めていた。また今日も一人か、と思っていた矢先にコメントが流れてきた。心拍数が上がったのを覚えている。

初コメントの瞬間

声のトーンが変わった

コメントが来た瞬間、自分でもわかるくらい声のトーンが変わった。独り言モードから会話モードに切り替わる。

「おお、ありがとうございます!」と返した時の声は、それまでの30分間とは全然違うテンションだった。相手がいると、配信が配信になる。当たり前のことだけど、体感するまでわからなかった。

その後、一緒にプレイしながら「ナイス!」「うわ、やられた」みたいなやり取りが自然に生まれた。配信の空気が一気に変わった瞬間だった。コメントが一つ来るだけで、配信のクオリティが別物になる。これは大げさじゃなく本当にそう。

ゼロとイチの間には壁がある

同接が1人から10人に増えるのと、0人から1人になるのは、意味が全然違う。

10人が20人になっても「増えたな」くらい。でも0が1になると世界が変わる。自分の配信を選んで見てくれている人がいるという事実。これがモチベーションの根幹になった。

その後も同接は低空飛行が続いた。でも「ゼロじゃない」という事実があるだけで、配信を続ける理由になった。

この壁を超えるのに自分は数ヶ月かかった。今振り返ると、もっと早く参加型配信に切り替えていれば短縮できたかもしれない。ソロプレイの配信だと、視聴者がコメントするきっかけがない。参加型なら「参加したい」という自然な動機でコメントが生まれる。初コメントのハードルを下げる仕組みを配信側が用意するのが大事だった。

ゼロからイチの壁

コメントをもらうために意識したこと

初コメント以降、もっとコメントをもらうために意識するようになったことがいくつかある。

視聴者に話しかける。「今どのキャラ使ってますか?」「このステージ好きな人いる?」みたいに、答えやすい質問を投げる。はい/いいえで答えられる質問や、選択肢がある質問の方がコメントしやすい。いきなり「何か話して」は無理がある。

コメントを見逃さない。小規模配信の強みは、コメントを全部拾えること。大手配信者だとコメントが流れて読めないけど、同接数人ならコメント一つ一つに丁寧に反応できる。これが小規模配信の最大のアドバンテージ。

初見さんへの対応を丁寧にする。初めてコメントしてくれた人には特に丁寧に返す。「初見です」と言ってくれたら、ちゃんと歓迎する。最初の体験が良ければ、また来てくれる可能性が高い。逆にスルーされたら二度と来ない。

配信の冒頭で雑談を入れる。いきなりゲームを始めるよりも、最初の5分くらいは雑談する。「今日仕事終わりで疲れたけど配信する」みたいな日常の話。視聴者が入ってきた時に、ゲームの途中よりも雑談の方がコメントしやすい。

コメントに反応するのが上手くなった

コメントが来るようになって、反応の仕方を意識するようになった。

最初は読み上げるだけだったけど、今はコメントの内容に対して自分の意見を足す。「わかる」「それ自分もやった」みたいな共感を返す。配信が双方向になると、視聴者の滞在時間が伸びる。

やりがちな失敗は、コメントを読んだだけで次に行ってしまうこと。「○○さん、〇〇ですね、はい」で終わると、コメントした側は「読まれた」だけで「会話した」感覚がない。一言でいいから自分の感想や体験を足すと、会話になる。

あとはタイミング。ゲームの激しい場面でコメントを読むのは難しいけど、デス画面やロード中に「さっきのコメントなんですけど」と拾うと、ちゃんと見てるよという印象を与えられる。

これはエンジニアの仕事にも通じる。Slackでの返信も、ただ回答するより一言添える方がコミュニケーションが円滑になる。「対応しました」より「対応しました、〇〇の部分は△△にしたので確認お願いします」の方が、相手の次のアクションが明確になる。

小さなコミュニティが生まれる過程

初コメントをきっかけに、少しずつ常連が増えた。毎回来てくれる人が2〜3人できると、配信の雰囲気が安定する。常連同士がコメント欄で会話し始めると、自分が喋っていなくてもコメント欄が動く。この状態になると、配信が「場」として機能し始める。

常連ができるまでにやったことは、名前を覚えること。「あ、○○さん今日も来てくれたんですね」の一言で、相手は「覚えてもらえてる」と感じる。同接100人超えの配信では無理だけど、小規模配信だからこそできる。

配信頻度も関係する。週1回だと視聴者が配信スケジュールを覚えられない。自分は週3〜4回、だいたい同じ時間帯に配信するようにした。「この時間に行けばやってる」という安心感が、リピーターを生む。

今でもコメントは嬉しい

配信に慣れてきた今でも、コメントが来ると嬉しい。同接が増えるより、コメントが1つ来る方が体感の喜びは大きい。

数字は結果。コメントは関係性。配信を続ける原動力は、この小さな関係性の積み重ねだと思っている。

コメントゼロの時期を経験しているからこそ、一つ一つのコメントの重みがわかる。もし今コメントがゼロで心が折れそうな人がいたら、参加型配信を試してみてほしい。視聴者がコメントする「理由」を作るだけで、状況は変わる。自分がそうだったように。

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